相続した上場株式の評価は?原則亡くなった日の終値×株数例外に注意

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皆さんこんにちは!櫻FP事務所です。

ところで

相続の相談です。

父が亡くなり、A株式を5000株相続しました。
上場株式の相続税評価を教えてください。

と疑問をお持ちの方に

上場株式の相続税評価額は、「上場株式の評価額×相続した株式の数」です。

上場株式の評価額は、原則、➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)によって評価します。

課税時期の最終価格(被相続人が亡くなった日)が、次の3つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。

➁課税時期の月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➂課税時期の前月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➃課税時期の前々月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

ただし、課税時期(被相続人が亡くなった日)が土日祝日などの場合は、証券取引所が休場しているため最終価格がありません

このような場合は例外的な評価方法をするので注意が必要です。

この4つの評価額を調べる方法は、証券会社に残高証明書を発行してもらうか、インターネットでも調べることができます。

この記事では、上場株式の原則的な評価や、例外的な評価(被相続人が亡くなった日が土日祝日、権利落ちの場合等)についてお伝えします。
是非参考になさってください。

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相続した上場株式の評価は?原則亡くなった日の終値×株数例外に注意

相続した上場株式の評価は?

上場株式の相続税評価額は、「上場株式の評価額×相続した株式の数」です。

上場株式の評価額は、原則、➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)によって評価します。

課税時期の最終価格(被相続人が亡くなった日)が、次の3つの価額のうち最も低い価額を超える場合は、その最も低い価額により評価します。

➁課税時期の月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➂課税時期の前月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➃課税時期の前々月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

上場株式は、現預金と比べて価格変動が大きいというリスクがあります。

相続人が不利益を被らないよう、4つのうち最も低い金額を上場株式の評価額としているのです。

上場株式の評価 例外的な評価方法に注意

上場株式は、原則、課税時期(被相続人が亡くなった日)最終価格(終値)によって評価します。

ただし課税時期(被相続人が亡くなった日)が、土日祝日や権利落ちの日の場合などは、例外的な評価方法をするので注意が必要です。

■ 被相続人が亡くなった日が土日祝日だった場合

相続人が亡くなった日に最も近い日の最終価格が➀被相続人が亡くなった日の最終価格となります。

被相続人が亡くなった日が土日祝日だった場合
■ 被相続人が亡くなった日が三連休中の中日だった場合

連休前の最終価格と連休後の最終価格の平均額が、➀被相続人が亡くなった日の最終価格となります。

被相続人が亡くなった日が三連だった場合だった場合
■ 被相続人が亡くなった日が権利落ちの日から基準日までの間だった場合

権利落ちの日の前日の最終価格が、➀被相続人が亡くなった日の最終価格(終値)となります。

被相続人が亡くなった日が権利落ちの日から基準日までの間だった場合

※基準日とは、配当や新株の割り当てが行われる日のことをいいます。

通常、株式は購入してから3営業日後に受け渡しが行われます。

基準日に配当等を受けるためには、3営業日前までに株式を購入する必要があります。

基準日直前(2営業日前)に株式を購入しても、配当などを受け取ることはできません

この日のことを権利落ち日といいます。

権利落ち日から基準日まで間は、配当などを受け取ることができないため、一般に株価は下落します。
ただし、この株価はこの株式の価値を正確に反映しているとはいえません。

被相続人が亡くなった日が、権利落ちの日から基準日までの間だった場合は、権利落ちの日の前日の最終価格が、➀被相続人が亡くなった日の最終価格(終値)となります。

■ 被相続人が複数の銘柄の上場株式を保有していた場合

株式ごとに別々に最も低い金額で評価することができます。

被相続人が複数の銘柄の上場株式を保有して場合場合

■ 株式が複数の取引所に上場されている場合

相続人は自分に有利(評価額が低い)な取引所の評価額を採ることができます。

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上場株式の4つの評価額を調べる方法

■ 上場株式の評価額

➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)

➁課税時期の月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➂課税時期の前月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➃課税時期の前々月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

※➀~➃の一番低い金額で評価します。

■ 証券会社に残高証明書を発行してもらう方法

➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)

株式を相続した人は、故人が取引していた証券会社に対して被相続人が亡くなった日時点の残高証明書の発行を請求します。
この書類により、➀被相続人が亡くなった日時点での終値を確認することができます。

証券会社では、➀被相続人が亡くなった日時点での終値のほか、基準となる3か月それぞれの月平均終値を、別途有料であるいは参考資料として発行してくれる場合があります。

証券会社に確認してみてください。

□ 残高証明書の請求時に必要な書類(請求者が相続人の場合)

 ➀亡くなられた方の死亡が確認できる書類
  戸籍籍謄本や住民票除票の写しなど

 ➁請求者の方が相続人であることが確認できる書類
  戸籍謄本や法定相続情報一覧図など

 ③請求者の方の本人確認書類
  請求者の運転免許証、パスポートなどのコピーなど

■ インターネットで調べる方法

➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)

・Yahoo!ファイナンスのホームページから確認することができます。

➁課税時期の月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➂課税時期の前月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

➃課税時期の前々月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

・日本取引所グループのホームページから確認することができます。

※上場株式の4つの評価額を、インターネットで調べる方法は以下の記事を参考になさってください。

 相続した上場株式の評価額をインターネットで簡単に調べる方法

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まとめ

・上場株式の相続税評価額は、「上場株式の評価額×相続した株式の数」です。

・上場株式の評価額は、原則、➀課税時期(被相続人が亡くなった日)の最終価格(終値)によって評価します。

 課税時期の最終価格(被相続人が亡くなった日)が、次の3つの価額のうち最も低い価額を超えるは、その最も低い価額により評価します。

 ➁課税時期の月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

 ➂課税時期の前月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

 ➃課税時期の前々月の毎日の最終価格(終値)の月平均額

・4つの評価額を調べる方法は、証券会社に残高証明書を発行してもらうか、インターネットでも調べることができます。

・被相続人が亡くなった日が土日祝日、あるいは権利落ちなどの場合は例外的な評価方法があるので注意が必要です。

上場株式の評価額をインターネットで簡単に調べる方法

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