皆さんこんにちは!櫻FP事務所です。
ところで
相続税の相談です。
90代の祖父が亡くなりました。
相続人は、祖父と二人で暮らしていた80代の祖母と、祖父とは別の県に住む長男67歳(私の父)と次女63歳(私の叔母)です。
相続財産は自宅(評価額5000万円)と預貯金(6000万円)です。
これから遺産分割をします。
ところで、配偶者である祖母は、相続税は1億6000万円までかからないと聞きました。
ひとまず、祖母が祖父のすべての財産を相続し、父と叔母は相続を放棄すれば、すべての相続人の相続税をゼロにすることができますか?
という疑問をお持ちの方に
まず、相続税は全ての人がかかるわけではありません。
相続税は非課税となる基礎控除額が大きく、相続しても相続税を支払わずに済む人も多いのです。
課税対象となる遺産総額が基礎控除額(3000万+600万×法定相続人の数)以下なら相続税はかかりません。
ご相談者様の場合(ほかに控除費用がないと仮定して計算します)
相続財産1億1000万円(自宅(評価額5000万円)+預貯金6000万円)
基礎控除額=3000万+600万×法定相続人の数(3名)=4800万円
課税遺産総額=1億1000万円(相続財産)ー 4800万円 = 6200万円
課税遺産総額(6200万円)> 基礎控除額4800万円
となり、残念ながら相続税の課税対象になります。
ただし相続税には、相続人を守るため、数多くの特例や税額控除があります。
ご相談にある、配偶者の税額軽減措置もその一つです。
配偶者の税額軽減措置とは、被相続人(亡くなられた方)の配偶者が、遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次に示す金額のうち、どちらか多い方の金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です。
⓵1億6千万円
⓶配偶者の法定相続分
ただしご相談にあるように、すべての財産を配偶者が相続することは、かならずしも得策とはいえません。
配偶者が亡くなった後、子供が相続する場合にかえって相続税が多くなる可能性があるからです。
この記事では配偶者の税額軽減措置について、もう少し詳しくお伝えします。
是非参考になさってください。
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相続税が安くなる?⓵配偶者の税額軽減措置とは?2次相続に注意
相続財産が基礎控除額以下なら相続税はかからない
課税遺産総額が基礎控除額(3000万+600万×法定相続人の数)以下なら相続税はかかりません。
相続をした人全てが、相続税を支払う必要があるわけではなく、相続税の課税対象となる遺産総額を計算し、その額が基礎控除額以下なら、相続税を支払う必要はありません。
課税遺産総額が基礎控除額(3000万+600万×法定相続人の数)以下なら相続税はかかりません。
課税遺産総額が基礎控除額以上だったとして、相続税が課されることが判明しても、相続税には、相続人の負担を軽減するために数多くの特例や税額控除の方法があります。
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相続税が安くなる!⓵配偶者の税額軽減措置とは?2次相続に注意
配偶者の税額軽減措置とは、被相続人(亡くなられた方)の配偶者が、遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、次に示す金額のうち、どちらか多い方の金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です。
⓵1億6千万円
⓶配偶者の法定相続分
※例えば課税遺産総額が5億円で、配偶者が取得する正味遺産額が2億5千万円と、1億6 千万円以上でも、配偶者の法定相続分1/2相当であれば、相続税はかかりません。
ただし配偶者の税額軽減措置を利用するためには、遺産分割が済んでいることが必要です。また、相続税がかからなくても、相続税の申告をする必要があります。
またこの制度を利用でして、すべての財産を配偶者が相続することは、必ずしも得策とはいえません。
配偶者が亡くなった後子供が相続する場合に、かえって相続税が多くなる可能性があるからです。
夫婦の一人が先に亡くなった時の相続を1次相続、その後、もう一人(配偶者)が亡くなった時の相続を2次相続といいます。
1次相続の際に、配偶者が配偶者税額軽減措置を利用して、すべての財産を相続してしまうと、2次相続の時に、課税額が大きくなる可能性があります。
このため、1次相続の時に、2次相続のときの課税額を考える必要があります。
1次相続の時に子供も半分程度相続したほうが、2次相続の際に相続税が安く済む場合が多いです。
■相続税の計算方法はこちらの記事をご確認ください。
配偶者の税額軽減措置とは、被相続人(亡くなられた方)の配偶者が、遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、⓵1億6千万円又は⓶配偶者の法定相続分の額のうち、どちらか多い方の金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です。
ただし1次相続の際に、配偶者税額軽減措置を利用して、すべての財産を相続してしまうと、2次相続の時に、課税額が大きくなってしまう可能性があります。
こうした事態を防ぐため、1次相続の時に、2次相続のときの課税額を考える必要があります。
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まとめ
・相続税は全ての人が支払う必要があるわけではありません。
課税遺産総額が基礎控除額(3000万+600万×法定相続人の数)以下なら、相続税はかかり ません。
・相続財産が基礎控除額以上だったとしても、相続税には特例や控除の方法があり、これを利用すれば相続税がかからないケースもあります。
・相続税の控除の方法の1つ、相続税の配偶者控除とは、被相続人(亡くなられた方)の配偶者が、遺産分割や遺贈により実際に取得した正味の遺産額が、⓵1億6千万円又は⓶配偶者の法定相続分の額のうち、どちらか多い方の金額までは、配偶者に相続税がかからないという制度です。
・配偶者の税額軽減措置を利用するためには、遺産分割が済んでいることが必要です。また、相続税がかからなくても、相続税の申告をする必要があります。
・この制度を利用して、配偶者に多く財産を相続させればいいと考えるのは、必ずしも得策ではありません。
配偶者が亡くなった後、子供が相続する場合には、かえって相続税が多くなることがあるので注意が必要です。
・1次相続の際に、2次相続の相続税についても検討することをお勧めします。
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